2015年のことだったと思います。確か3泊ほどの北京出張。特に問題なく仕事予定は完了し、普通に帰国しようと北京空港へ。出国審査も問題なく、保安検査に進んだところ、「荷物を開けろ」と。。
出張で行ってますから、別に買い物もしてないし、(その時は)お土産もない、入国したときと同じ荷物で、なにか問題あるの? とは思いつつ、言われるとおり手荷物開けると、モバイルバッテリーを取りだせ、と。
”いや、持ってきてたっけ?”と、現地で使う場面がなかったので最初戸惑ったのですが、思い出したのが、羽田空港で受け取って持参していたレンタルwifiセット。そのセットに、ケーブルや変換コンセントとともに、モバイルバッテリーも入っていたんですね。
ま、でも日本から持ち込んできてるし、専業のレンタルwifi会社さんから借りて、行先もわかっているレンタルセットに、問題になるようなモノが入っているワケがないので、”それがなにか?”って感じだったのですが、しばらくバッテリー眺めていた職員が、一言。
「これは持ち込めない。」
??はい??
いやいや、ちょ、待ってください、と。持ってきたもの、持って帰ってなにが悪いのだ、と。しかも借り物だと。困るんだと。
しかし、まったく相手にしてくれません。ダメはダメと。
そう言われてもこっちも困る。ペットボトルの飲み物捨てるのとはワケが違う。百歩譲って自分のモノならあきらめて捨ててもいいが、レンタルしたもの。しかも会社の経費で。こうした場合、だれの責任になるのか?補填はどうしたらいいのか?などなどなどなど焦るアセル。。
しかもこっちは中国語力ゼロで英語力も中二レベル。向こうもそんなに英語力もなさそう。でもあきらめず粘っていると、邪魔だからあっちのカウンターに行け、と追い出されました。一応、検査は通過したものの、バッテリーは渡さない、と。
どうにもこっちも納得いかず、カウンターで再度交渉してみると、なんか言ってるんですが聞き取り理解できません。何度も言ってもらって
「Wh(ワットアワー)はいくつだ?」
と訊かれているのが分かったのですが、今度はそもそもWh(ワットアワー)を知りもしない。知らないからわからない。わからないから答えられない、という雪隠詰め状態に。
あとから調べて理解できたのですが、要はこういうこと。
100Whって何mAh?
モバイルバッテリーの製品紹介では、「10000mAh」というように「mAh」という単位でバッテリー容量が記載されています。しかし、航空会社のウェブサイト等では「Wh」という単位が使用されており、確認の際にはちょっとした計算が必要です。この単位の変換は簡単で、計算式は以下のようになります。Wh = V (電圧) × mAh (バッテリー容量) ÷ 1000
まず、電圧はリチウムイオン電池であれば3.7V固定です。バッテリー容量の「mAh」は「Ah」へ変換する必要があるので、「mAh」を1000で割ります。例えば、Ankerで大人気のAnker PowerCore 10000は10000mAhのバッテリー容量を搭載しているので、計算式は以下のようになります。
Wh = 3.7V × 10000mAh ÷ 1000 = 37Wh
Anker PowerCore 10000は37Whのため、機内への持ち込み制限が100Wh以下の航空会社であれば持ち込みが可能となります。
※バッテリーメーカーのアンカーさんホームページより抜粋
これも後からわかったのですが、そのWhがバッテリーに記載されていれば、最初の職員チェックでも通過できた(はず)、と。でもそれわからなければ、どうやら絶対に没収する気は揺るがないらしく。交渉もなにもまったく取り合ってくれません。
”これは、いよいよダメだ。。”と、思い立ち、職員に断りいれたうえで、その場からレンタルWifi会社に電話して状況伝えました。すると即答で、
「そのまま捨ててきてください」
と。え? まじですか? 大丈夫? 補填とか?
「なにも無しで大丈夫です!捨ててきてください。お手数おかけしました」
と。
結果、お言葉に甘えてバッテリーは没収されたまま北京を後にしました。
よくあること、なのでしょうか?なんにせよ電話時の対応は迅速丁寧迷いなく、本当に助かりました。感謝でした。それからは、Wh(ワットアワー)を大体把握して万一に備えることにしました。その後同様なケースに遭遇したことはありませんが。皆さまも念のためお気をつけください。
その、神対応してくれた会社は、別途レンタルWIFIレビューでコメントしたいと思います。
※言うまでもないですが、この件をもって”レンタルwifiにセットのモバイルバッテリーは捨てていい”なんて思われないようにお願いします※
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